2022/11/23
戦車も自動車なんですよね~
全国的に雨模様の勤労感謝の日、皆様はいかがお過ごしでしょうか?現在、社長の小林が中心となって進めている英国からの九五式軽戦車里帰りプロジェクトは皆様のご支援のおかげさまで、もう少しで折り返しの50%に手が届きそうです。
細かいことはとりあえず置いておいて、まずは動画をご覧ください!
低回転、高トルクの120馬力空冷ディーゼルエンジンに前進4段、後進1段のノンシンクロのマニュアル変速機という組み合わせは、重量7トンの九五式軽戦車にとって出力重量比でも余裕があり、比較的簡単に操縦できます。
動画からも判りますが、停止時に2速(1速は微速前進又は坂道発進用)に入れるのは大変ですが、シフトアップはエンジン回転と車速が合えば一発で決まります。逆にシフトダウンの際はさらにダブルクラッチを踏ないと変速は出来ません・・・これには修練がいります。
とはいえ、同時期や戦後復興期の大型トラックに比べると、パワステの無い大きなハンドルをねじり鉢巻き姿でグルグル回して格闘する必要がないことは素直に驚かされました。当時の戦車兵の聞き取りでも、大型トラックの運転が出来る人は九五式軽戦車の運転は簡単という言葉がありますが、納得です。
代表の小林はもともと旧車好きで、ノンシンクロの軍用車を何台か所有したこともあり、2005年にはモンゴル陸軍体験ツアーに参加して旧ソ連製のT54戦車の操縦体験もして来ました。

このT54戦車の操縦体験時には、まだまだ自分も運転経験が未熟であり、変速操作に大変苦労したことを記憶しています。自動車と戦車の最大の違いは、走り始めると同時にキャタピラの回転音が鉄の箱である車体に響き渡り、まったくエンジン音が聞こえなくなることです。したがって、変速のタイミングはエンジン回転計を目視して、速度計を見るか体感速度で計るしかありません。
さらに重量35トンを引っ張る500馬力のV型12気筒ディーゼルエンジンとノンシンクロ変速機の組み合わせですから、2速から3速へのシフトアップはダブルクラッチを踏まないと上手く行きません!
また、クラッチを踏んでニュートラルになった瞬間に前進する慣性力よりもキャタピラの転がり抵抗が大きいので一気に減速が進みます。したがって、一発で変速を決めないとエンストすることになります。このような場合には一度停車して、2速発進からやり直しです。
戦闘機動はこのような基本操縦を完璧に習得してからでなくては出来ないことを痛感するとともに、61式戦車を縦横無尽に操縦する自衛隊員さんを羨望のまなざしで見る様になったことは言うまでもありません。

このような経験を元に、今回何とか完成検査という名の試運転に臨むことが出来ました。いまや自動車も戦車もオートマチック変速機になり、マニュアル変速機を操作する機会がめっきりなくなりましたが、今回の実働する九五式軽戦車の里帰りを通して当時の戦車兵の苦労を偲び、現在の我が国の高性能国産戦車の技術的な礎であったことに、この動画から思いを馳せて頂ければと思います。
